眼の病気ガイド
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多汗症

多汗症について

すごく汗をかく これって病気?

部下や親戚の結婚式に招かれるのは、おめでたい反面わずらわしいことでもあります。頭が痛いのは何もご祝儀だけではありません。スピーチを頼まれ大勢の招待客の前で、マイク片手に話すと想像するだけでも手にじっとりと汗をかいてしまう人も少なくないでしょう。落ち着かねば、と思うほどに余計焦り、気づけば全身汗びっしょりです。
しかしなぜ、緊張すると汗をかくのでしょうか?
人間は何もしないでぼんやりしていても、1日にペットボトル一本分の汗をかいているといわれています。
何かと我々を悩ませる「汗」について、その正体をじっくり見ていきましょう。

汗のメカニズム

ヒトは、なぜ汗をかくのでしょう。

答えは、体温にありました。個人差もありますがヒトの体温は、通常36度前後に保たれており、そこから大きく外れることはありません。なぜかというと、体内の細胞や器官が、機能するのに最も適した温度だからです。低くて30度、高くて40度まで体温が変化すると、生命に危険がおよび、特に40度以上になると、脳が著しいダメージをうけて機能を低下させてしまいます。

そうならないため、汗をかいて熱を発散させるのです。汗をかくと全身が濡れるため、体表温度が一気に下がります。

ちなみに犬や猫はほとんど汗をかくことができないため、犬は暑いときに舌を出して八ア八ア息をして熱を下げます。(ちなみに猫は体をなめて濡らすことで体温調節をして います)。いずれにしてもせっせと口や舌を使って温度を下げねばならないため、ヒトのように全身で汗をかくほど効率的ではありません。汗をかけない動物からしたら、人間の発汗による温度調節機能はうらやましいに違いありません。

汗が増えた?! 2つの原因

「最近急に汗が増えた」という場合、主に次の2つによる理由が多いようです。

原因1 多汗症

多汗症とは、字の通り「多く汗をかく」症状のこと。運動による運動性発汗ではなく、緊張したときや驚いたときにかく精神性発汗が多いのが特徴です。手のひらや足の裏、または脇や顔などに大量に汗をかき、体からはあまり出ないのも特徴です。中でも手のひらや足の裏に限定して大量に汗をかく場合には、「手掌足蹠多汗症(しゅしょうそくせきたかんしょう)」といいます。

前述の結婚式のスピーチなど、ここ一番で、握っていたハンカチがぐっしょりと湿るほど汗をかいたり、ひどい人になると常に手のひらが汗ばんでいるため、パソコンのキーボードが壊れたりしてしまう場合もあります。

原因は、「交感神経」の働きです。われわれの体は交感神経と副交感神経とが、ちょうど電球のオンとオフのように交互に切り替わり、バランスよく活動と休息を取っていますが、交感神経が過敏になるとちょっとしたことでも体に緊張状態の反応があらわれてしまうのです。慌てたり焦ったりしたときに汗びっしょりになるのは、「緊張しやすい性格」とか「精神が弱い」という理由で起こるわけではないんですね。交感神経の仕業なんです。

原因2 更年期

閉経前後の女性に多いのが、更年期による発汗です。更年期を迎えると、発汗を抑える作用がある女性ホルモンが減るために、汗をかきやすくなるのです。特徴は、頭部や上半身、顔などに、突然ドッと汗をかいて止まらなくなる“ホットフラッシュ”という症状です。これは、更年期に特有のホルモン減少と、交感神経と副交感神経のバランスが乱れることで起こります。のぼせやめまいを伴うことも多いです。

こんな症状は要注意

動悸(どうき)、体重減少、イライラを伴う汗

→甲状腺機能亢進症という、代謝異常の病気の可能性があります。甲状腺ホルモンという代謝を向上させるホルモンが過剰に分泌されるために、全身に多くの汗をかくようになります。代謝が高まっているために、多汗だけでなく動悸や体重の減少、イライラといった症状が現れます。

寝汗がふえた

→白血病などの血液の病気、または結核の可能性があります。いずれも、一晩中続く大量の汗が特徴。さらりとした汗ではなく、ミネラル分などが多いベタベタした汗であることが多いようです。健康な人でも寝汗はかくものですが、通常寝入りばなに体温調節のためにかくのがほとんどです。しかし、これらの病気は微熱があるために、眠っている間ずっと汗をかくことになります。

のどが渇く、尿から果物のようなにおいがする

→糖尿病の可能性があります。そのほかに、暑くないのに顔や胸、頭に異常に汗をかいたり、また暑いのに下半身にまったく汗が出なくなったりしたら要注意です。

汗に関するウソ・ホント

知っているようで知らなかった、汗にまつわるあれこれをまとめてみました。

肉を食べると汗をかきやすくなる→○ホント

口から入った食物は、胃や腸で消化吸収されたのち、肝臓でエネルギーに変えられます。肉や豆などのタンパク質は、白米などの糖質と比べて、約5倍も多く熱を産生することがわかっています。そのため体温が上がり、汗も出やすくなります。汗を減らしたいときは、肉を控えてみるのもいいかもしれません。

辛いものを食べると汗が出る→○ホント

発汗のメカニズムで、意外と知られていないのが「味覚性発汗」です。酸味や辛味など味覚による刺激を感じると、額や鼻、唇のまわりに汗をかきやすくなります。ちなみに、味覚性発汗は暑いと余計誘発されるので、キムチ鍋など刺激性が高くかつ温度の高いものを食べると、大量の汗をかいてしまいます。

飲む水の量を減らせば、汗も減る→×ウソ

汗は水分からできています。そのため、汗を減らすには水分摂取量を減らせばいいのでは・・と考える方もあるかもしれません。しかし、実際には大量の水を飲んでもほとんどが尿として排泄されて、汗はそれほど増えません。水分量と尿量は直結していますが、汗の量にはあまり関係していないようです。汗をかきたくないからと言って、水分量を減らすのはNGです。

「とにかく汗を止めたい」とっさの汗対処法

皮膚圧反射法

脇や手のひらはともかく、顔や首から噴き出している汗は隠せません。相手は気にしていなかったとしても、「暑苦しいと思われていないかな」と気にしてしまい、よけい汗をかいてしまうというもの。
そんな時は、両手の指で同時に鎖骨の下あたりの皮膚を強くつねってみましょう。おもわず顔をしかめてしまうくらい強くつねるのがポイントです。強い刺激を受けると、その場所の発汗は一時的に止まってしまうことが知られています。
女性が着物を着る際に、脇の下から鎖骨下あたりをひもで縛りあげることがありますが、こちらも同様の効果をねらってのことのようです。暑い夏でも和装が似合う涼しげな美人にもそんな秘密があったのです。

後谿(こけい)のつぼ

誰にも知られず、全身の汗を止めることのできるツボです。手を握り、グーの形を作ります。すると握った手のひらの、小指の付け根が一部はみ出しますね。その部分を反対側の親指の腹でゆっくりと3度押します。反対側も同じように行います。椅子の下などでこっそり行えるので、「汗をかきそうだぞ」と思ったら深呼吸とともに、プッシュ!気持ちも落ち着くはずです。

まとめ

「汗は、心の涙」とはよく言ったものです。老廃物や不要な汗を発散し、体と心をすっきりさせてくれる大切な存在なんです。とはいえ、汗だらけというのも困りものです。大切なパートナーとして大事に付き合っていきたいです。

・精神性発汗は、交感神経の過敏な働きによる場合が多い
・汗とともに、動悸や寝汗、のどの渇きなどの症状がある場合は要注意
・女性は、更年期の前後でホットフラッシュが生じやすい
・とっさの汗を止めたいときは、皮膚をエイッとつねってみる

不快な目の症状、血行障害が原因かもしれません!